これまでバーチャルオンリー型株主総会について、導入企業がまだ74社と少数派である現状をお伝えしてきました。一方で、同じく株主・投資家向けのイベントである「決算説明会」は、実はオンライン化がかなり進んでいます。今回は、決算説明会のオンライン配信がどれくらい普及しているのか、データをもとに解説します。
決算説明会は年に複数回開催されるのが一般的
決算説明会は、本決算後と中間決算後にあわせて年2回、あるいは四半期ごとに年4回のペースで開催されるのが一般的です。株主総会と違い、法律で開催が義務付けられているものではなく、あくまで企業が自主的に行っているIR活動という位置づけになります。
オンライン実施率は7割超
日本IR協議会が2024年5月に公表した「IR活動の実態調査」(全上場会社4,088社が対象、1,039社が回答)によると、国内向け決算説明会をオンラインで実施している企業の割合は71.3%(前年は68.7%)となっています。
※この数字は「オンライン配信を取り入れている」割合であり、完全にオンラインのみで実施しているのか、会場開催とあわせて実施している(ハイブリッド)のかまでの内訳は公表データからは確認できていません。そのため「決算説明会はもう会場開催をしていない」という意味ではなく、「オンラインという手段を取り入れている企業が7割を超えている」という理解が正確です。
なぜここまで定着したのか
2020年3月以降、感染症対策をきっかけに、電話会議やオンラインでの決算説明会が一気に主流になりました。その後、会場開催が戻ってきてからも、オンラインをあわせて実施する「ハイブリッド開催」が増加傾向にあります。
決算説明会は、年に複数回、似たような形式で繰り返し開催される「定例イベント」です。だからこそ、一度オンライン配信の型を作ってしまえば、次回以降も同じ体制で運用しやすく、結果として定着しやすかったと考えられます。
株主総会とは事情が異なる
同じ株主・投資家向けのイベントでありながら、株主総会(特にバーチャルオンリー型)の普及がまだ限定的なのは、これまで解説してきた通り、会社法上「場所」を定める必要があるなど、法律上の制約があるためです。
一方、決算説明会には、そうした法律上の開催形式の制約がありません。企業が自由に形式を選べるからこそ、状況に応じてオンライン化を進めやすかった、という違いがあります。
まとめ
決算説明会のオンライン配信は、すでに7割超の企業が取り入れる「当たり前」の選択肢になっています。法律上の制約が少なく、年に複数回行う定例イベントだからこそ、他のIRイベントに先駆けて普及が進んだと考えられます。この流れは、今後も続いていくと見られます。
決算説明会の配信についてのご相談は、初めての開催でもお気軽にお問い合わせください。


